私たちは診療を受ける患者として、また医療費を支払う立場、医療保険を支える被保険者としても、医療に対する関心や理解、知識を深めることが大切です。「明細書」には医療に関する基本的な情報が記載されており、私たちが受けた医療の基本資料です。そして、「明細書」は、私たちの健康のメンテナンス記録にもなるのです。
医療を受けるのは患者自身です。患者が納得して積極的に治療に参加することで治療に対するより良い効果が期待できます。それには医療に携わる者と患者の間のコミュニケーションが必要ですが、医療に関する専門知識をもたない患者と医師の間には「情報の非対称性」という大きな情報ギャップが存在します。
患者が自らの診療に関するカルテやレセプト(診療報酬明細書)を見るのには手続きが必要であり、医療機関に保管されているカルテは早くて5年で、健康保険組合などの保険者に保管されているレセプトも早ければ3年程度で破棄されてしまいます。「明細書」には、自分が受けた医療や投薬に関する基本的な情報が記載されていますので、「明細書」を持っていれば、下記のような効果が期待できます。
明細書をもらうことで期待できる効果
●自分が受けた医療の内容を確認することができる
「明細書」をもらい、記載内容を確認することで、自分の受けている診療内容を知ることができます。自分と家族の医療情報を蓄積すれば、治療への参加意識も高まり、「明細書」を長期間保管すれば「家族の診療記録」になります。
●患者自身が納得して治療に臨むことができます
診療や投薬の内容が明らかになることで、「自分が望む医療を選択することができた」、「医療内容を把握したうえで、次の治療方法を納得して決めることができた」など、患者の医療に対する主体性が高まることが期待されます。お医者さんとの対話や信頼関係の構築にもつながり、自分が望む治療法を選択しやすくなります。
●医療上の価値を表す「診療報酬」がわかる
医療費は、厚生労働省が定める診療報酬(医療費の単価)によって算出されます。診療報酬は医療上の価値を金額に置き換えたものということができます。明細書に記載された診療報酬を国民・患者の目線で考えてみることは大事なことです。こうした判断の積み重ねが、私たちのめざす医療の実現につながるのです。
●万一の時、明細書を保管していれば役に立ちます
明細書の中には、外来・入院時に投与された医薬品等がすべて記載されます。明細書を保管しておけば、医薬品などの副作用情報が発表されたときに、自分がその医薬品等を使っていたかを、さかのぼって確認することができます。
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